断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

梅と私

 梅の季節が来た。数ある花の中で梅が一番好きだが、昔からそうだったわけではない。きっかけは二十代のころ、東京青梅市吉野梅郷へ行ったことである。その後、本駒込に下宿するようになって近所の小石川植物園に親しみ出し、梅の季節には何度もそこへ通った。ここは植物園ということだけあって品種が豊富で、色々な香りの梅が楽しめる。そうこうしている内に梅は、私にとってこの季節の不可欠のコンポーネントのようなものになってしまった。もし将来、日本以外の国に移り住むようなことがあったら、何よりも梅の季節がないことを悲しく思うだろう。
 写真は近所の瀬戸川沿いの道の梅である。写真からではちょっと分かりづらいが、ここは数十本の梅が植えてあり、今が見頃を迎えている。