断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

家山梅園へ行ってきた

最近は朝起きて窓を開けると、梅の香りを孕んだ空気が入ってきて、何かそれだけで幸福な気分になる。写真は先週末に訪れた大井川中流域の家山梅園。小高い丘の南斜面にある別天地のような場所です。

古典教育は必要か? 

何回かにわたって大学入試について書いてきたが、元々のきっかけは「東洋経済」誌の「古文・漢文不要論争」についての記事だった。高校で古文や漢文を学ぶ意味は果たしてあるのだろうか?記事はこの問いをめぐって、明星大学の勝又基氏へのインタビューをもとに…

抵抗経験と実在性

Kindleで『抵抗経験と実在性』という本(哲学の論文)を出しました。実在論と観念論の対立という、デカルト以来の西洋哲学の問題に取り組んだものです。カントの『純粋理性批判』に「観念論論駁」(Widerlegung des Idealismus)という有名な一節があります…

入試シーズンに思うこと(3)

かれこれ10年も前になるが、小林秀雄の「鐔」 というエッセイが、センター試験に出題されたことがあった。ネット上では「並みの書き手ではない」と褒める人がいる一方で、「感情の赴くままに書かれている」、「非論理的で主観的」、「こんなもの出題するな」…

今日の一枚(13)

花びらがみな心をあわせて風のなかの幾歩かの目にみえないかぐわしいあしぶみを踏む(リルケ詩集『薔薇』より。山崎栄治訳)

入試シーズンに思うこと(2)

前回の記事で「文学テクストの意味は読み手の自由な解釈によって生み出されるものだ」とか「テクストの意味は読者の数だけある」などといった文学観が、文学についての偏見や悪しき先入観を生んだと書いた。このことについてもう少し書いてみたい気がするけ…

入試シーズンに思うこと

ちょっと前に「東洋経済」の高校国語(古文と漢文)についての記事を読み、それについて少し書いてみようと思っていた。 折しも入試シーズンで、関連したいくつかの記事を読むうちに、俄然、大学受験についてブログ記事に書いてみたくなった。 僕は以前、受…

今日の一枚(12)

寒風吹きすさぶ海岸の次は、穏やかな山巓へ。安倍川の支流・藁科川流域のダイラボウというところです。標高は561メートル。眼下に藁科川と第二東名、その向こうに静岡の市街地が見えます。少し下ったところから大井川方面を遠望

今後の仕事について

少し以前のことになるが、これまでに書いた記事の中から、比較的ちゃんと書けているものを選んで、電子出版(KDPと楽天Kobo)で出した(下記リンク参照)。 『比喩とリアリティー』は文学関連の記事、『空へ向かって開かれた庭』は美術関連の記事、そして『…

遠山の雪を集めて大河口

元旦は大井川の河口を散歩しました。自宅を出るときは穏やかな天気でしたが、海まで来てみると風が凄まじく、手に持っていたスマホが吹き飛ばされるのではないかと思ったほどでした。本年もよろしくお願いいたします。大井川の河口。砂州が伸びて小河口とな…