断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

研究

抵抗経験と実在性

Kindleで『抵抗経験と実在性』という本(哲学の論文)を出しました。実在論と観念論の対立という、デカルト以来の西洋哲学の問題に取り組んだものです。カントの『純粋理性批判』に「観念論論駁」(Widerlegung des Idealismus)という有名な一節があります…

最近の研究のこと

コロナ禍が始まっておよそ二年間、大学の授業も含めて自宅で仕事をすることが多かった。その間に自分の研究がそれほど進捗したわけではないが、それ以前の期間も含めて、自分の仕事の理論的な根幹部分はほぼ出来上がった。今回はそれについて簡単に書いてみ…

詩・批評・哲学

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 年が明けてすでに10日近く経っており、実は大学の授業もとっくに始まっているのですが、遅ればせながらブログの方も、今年度第一回目の記事を書いてみたいと思います。 テーマという…

哲学の理論(「自我・身体・事物」)

以前に私の研究を紹介した記事を何本か投稿しましたが、その後研究面で進展があったので、紹介記事は書き直し、以前の記事で紹介した論文(部分)は削除しました。かわりに今年のはじめにアマゾンのKDPで出版した「自我・身体・事物」という論考のリンク(こ…

私の研究について(その2)

試行錯誤の後、文学から思想・哲学へと研究活動の軸足を移すことにした。ただしこれまでやってきたニーチェをすっぱりと捨ててしまう勇気はなく、ニーチェやフロイトのテクストを分析しつつ、そこから理論的考察を導くという方針でやることにした。この方針…

私の研究について(その1)

「研究者」のブログと銘打っておきながら、研究についての記事がほとんどないことを、不思議に思っていた方も多いのではないかと思う。私自身、一度きちんとした形で自分の仕事を紹介したいと思いつつ、ずっと先延ばしになっていた。夏休みに入って少し余裕…