断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

本日は晴天なり

今日はすばらしい日和だった。 風はまだ寒いけれどからっと晴れ、空を流れる大きな雲が、日差しをいっぱいに孕んでまばゆいばかりに輝いていた。春を通り越して初夏を予感させる眺めである。東京を離れていると不便なことも多いが、この気候はありがたい。

梅見のはなし(菊川市の黒田家代官屋敷)

菊川にある黒田家代官屋敷へ梅見に行ってきた。菊川の町は、茶で有名な牧之原台地の西側に位置する。黒田家代官屋敷はJRの菊川駅と御前崎の中間あたりにある。 JR菊川駅に降りると、前日までの雨もあがって、まぶしい日差しが降っていた。そこからバスで…

私がワインを飲めない理由

「ワインを飲めない」と書いたが、正確には「赤ワインを」である。白は普通に飲めるのである。 今から数年前のことである。とある論文の締め切りがぎりぎりになってしまい、無理やりにでも書き上げなければならなくなった。私は徹夜というものができない人間…

ボンクラーズと米長邦雄(4)

「ルール」と「定跡」の区分は、それを文学や芸術の領域に適用しようとするやいなや、たちまち曖昧になってしまう。というのも芸術においては、主観的なものと客観的なものを分けることにそもそも無理があるからであり、「新しさ」が「ルール」のレベルでの…

ボンクラーズと米長邦雄(3)

……ここまで私は、将棋というゲームの「新しさ」や「創造性」のことを語ってきたが、じつはこれは、文学や芸術の問題を論じるための下準備だったのである。「新しさ」や「創造性」の問題は、近代以降の文学者や芸術家の主要な関心事で、場合によってはほとん…