断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

2012-03-03から1日間の記事一覧

ボンクラーズと米長邦雄(4)

「ルール」と「定跡」の区分は、それを文学や芸術の領域に適用しようとするやいなや、たちまち曖昧になってしまう。というのも芸術においては、主観的なものと客観的なものを分けることにそもそも無理があるからであり、「新しさ」が「ルール」のレベルでの…

ボンクラーズと米長邦雄(3)

……ここまで私は、将棋というゲームの「新しさ」や「創造性」のことを語ってきたが、じつはこれは、文学や芸術の問題を論じるための下準備だったのである。「新しさ」や「創造性」の問題は、近代以降の文学者や芸術家の主要な関心事で、場合によってはほとん…