断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

2014-01-01から1年間の記事一覧

梅花の一季

大みそかの今日は、こちら(静岡)では夜からは雨という予報で、明るいうちに買い物などの用事を済ませた。年越しソバやおせち料理を食うわけではないので、単なる日用品や食品の買い出しだが、それでも明日から新しい年だと思うと、なんとなく心が浮き立つ…

ナルシシズム論考

ギリシャ神話のナルキッソスは、水面に映るみずからの美貌に陶酔し、命を落とした。ところで私たちは、もう一つの「ナルシスティックな」物語シーンを知っている。「鏡よ鏡、世界中で一番美しいのは誰?」と問いかける「白雪姫」の王妃である。どちらも「鏡…

洗脳について

あっという間に年の瀬が近づき、冬休みまで残り10日ほどとなった。 休みに入ると家に閉じこもって研究、という日が多くなる。ときには何日も、ほとんど人の顔を見ないということもある。そんな後に、外へ出かけていって誰かと会ったりすると、ちょうど外国へ…

科学と信仰―クレイグ・ヴェンター氏のインタビュー

私の勤めている大学の講師室には、不要になった古い「シュピーゲル」誌が山積みされている。時々持ち帰って、電車の中で読んだりしている。そういう次第で多少ネタが古くなってしまうのだが(4年前のもの)、今日はその記事の中から一つ紹介したい。アメリカ…

宇津ノ谷、そして朝比奈の旅

自転車で転倒して怪我をした。まだその傷が癒えない十月半ばの週末、丸子から宇津ノ谷、岡部、朝比奈へかけて自転車で走ってきた。 国道一号線を西に下って丸子を過ぎると、宇津ノ谷峠の山並みがぐんぐん迫ってきた。真っ青に晴れ渡った空を背景に、堂々たる…

同窓会雑記

先日、高校の同窓会があって横浜のほうへ出かけてきた。それに先立って昔の校舎で担任の先生方が「授業」(もちろん余興のそれ)を行い、同期の教諭に案内されて校舎や校庭、体育館などを回った。近々校舎が改築されるという話で、今回は六年間学んだ場所の…

ブログ再開のお知らせ

ちょうど半年ほど前になりますが、gooメール有料化にともない、ブログ移転のお知らせをしました。 メルアドとともにブログのほうも使用できない状態になったものと思いこみ、ずっと放置していたのですが、その後ブログのほうは使用可能な状態であることに気…

俳句つれづれ

以前の記事でも書いたが、私は何年か前から「りいの俳句会」というものに在籍している。毎月一回投句する決まりだが、それ以外にも月一度、上野で句会が開催されている。私は静岡にいることが多いので、句会にはなかなか出られない。だから月に一度の投句が…

フットサルをしてきた

静岡はサッカーの盛んな地域で、私の住んでいる町にもサッカーやフットサルのできる施設がいくつもある。市役所には某サッカー名門校のOBがたくさんいるらしく、そこのサッカーチームは「強豪」だという話である。私自身はサッカーにあまり詳しくはなく、…

俳句近作

今回は久々に自作の俳句から、比較的出来のよいものを択んで記事にしたい。 片陰の濃きばかり見ゆ場末道 「片陰」とは夏の季語で、日差しの高さゆえに短く落ちる陰をいう。人通りのない場末道の、真夏の昼下がりの虚無感。 ひつじ田に陽をなみなみと小春かな…

大井川河口の旅

あっという間に正月が過ぎ、冬学期の仕事もほぼ終了した。こちら(静岡)では昨日あたりからすでに春の声が聞こえている。一時期に比べると日差しがよほど強くなった。東京より半月くらい季節が早いという印象である。考えてみればここは伊豆の東海岸(城ヶ…