断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

岡潔「春宵十話」より

岡潔の「春宵十話」(光文社文庫『春宵十話』所収)からの引用である。 人は動物だが、単なる動物ではなく、渋柿の台木に甘柿の芽をつぎ木したものといえる。それを、芽なら何でもよい、早く育ちさえすればよいと思って育てているのがいまの教育ではあるまい…

岡潔のエッセイ

二月も残すところ数日となった。この連休は雨のち晴れで、気温もだいぶ高くなった。梅の散るのが早いのは残念だが、春が身近に迫っている。いつもなら心楽しい季節だけれど、今年はそれどころではなくなってしまった。新型コロナウイルスの問題である。 実を…

猫に会った話(5)

ちょっと間が空いてしまったけれど、前々回の記事の続きである。 ずっと鳴かなかったその猫が、ひとたび鳴いたことで一気に私との距離が縮まったかというと、そうでもなかった。もう一匹が私にべったりの状態なので、何となく遠慮して近づかないでいる感じだ…

家山梅園探梅記

今年度の授業が全て終了した。成績もつけ終わってほっと一息である。 芸大の最終週には、ドイツ語の先生方と連れ立って根津にあるカフェへ行ってきた。奥まったところにある小さな店で、車の音も聞こえない。昭和の初期に作られたと思われる古い建物はお洒落…