断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

自転車が壊れた話(1)

 いま使っている自転車はギヤなしのママチャリで、長距離ツーリングに使うにはちょっとしんどい代物である。以前、大井川沿いの激しいアップダウンを走っていて、足を痛めたことがあった。以来、あんまり急な山道は走らないようにしているのだが、それにはもう一つ、別の理由がある。あまりにハードな走行を続けると、チェーンが伸びてしまうのである。その場合チェーンの長さを調整せねばならぬが、これが結構、面倒なのだ。安物のせいかチェーンカッターがきかず、自転車屋へ持って行って整備してもらわなければならないのである。
 そんなわけで用心しつつ、なるべくチェーンが伸びないように使っているのだが、それでも何年か使っていれば伸びは出てくる。最近、頻繁にチェーンが外れるようになってきたので、直さなければと思いながら先延ばしにしていたら、三日ほど前、また外れてしまった。駐輪場で強風にあおられて転倒し、そのはずみにチェーンが落ちてしまったのである。またかと思って自転車をひっくり返し、取り付け作業にかかろうとすると、何とチェーンが切れているではないか。びっくりした。いくら安物の自転車でも、まさかチェーンが切れてしまうとは夢にも思わなかったからである。駐輪中だったから良かったものの、走行中に切れていたら大変なことになっていた。切れたチェーンが車輪にからみつき、大事故につながったかもしれない。
 さすがに古いチェーンは使う気にはなれず、新しいものを買って取り付けた。オイルもたっぷり差しておいた。この自転車ももうしばらくはもつだろう。さて今回は幸い大事に至らなかったが、実は数年前、別の自転車でかなり怖い目に遭ったのである。