断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

ちょっと個人的なこと

 私は筋金入りの夜型人間で、たまたま早起きしても午前中はぼうっとして過ごしてしまう。一度、朝八時半からの授業があって、週にいっぺん、六時半に起きて出かけたのだが、昼過ぎに仕事が終わるとぐったりし、その後も一日中体中がだるくて参った。
 これは私が、普段から夜型のだらしない生活を送っているせいなのだろうが、しかしそればかりではなく、どうも生まれついての体質ということもあるらしいのである。
 中学高校時代、私は一時間かけて電車で学校に通っていた。毎朝六時半起床という生活をずっと続けていたの。にもかかわらず、お昼くらいまではいつも居眠りばかりしていて、午前中にすっきりした気分で授業を受けていた記憶がほとんどない。
 昨年、二ヶ月ほどドイツで過ごす機会があり、その間、早寝早起きのすこぶる健康的な生活を送った。ところが気がついてみたら体重が5キロも増えていた。減ったのではない。増えていたのである。別にグルメ三昧にふけったわけではない。たいていはスーパーで買ってきた粗末な食事ですましていた。日本にいるときと違って不健康な夜食をとることもなかったから、むしろ体重は減っておかしくないくらいだったのである。
 いろいろ考えた挙句、原因は朝食に違いないという結論にいたった。ドイツのホテルでは朝食がバイキング方式で食べ放題である。パンなどもやたらとおいしいから、ついつい食べ過ぎてしまう。日本ではほとんど朝食をとらない生活だったから、その差が体重の増加となって出たのであろう。
 しかしそれにしても5キロは増えすぎである。ひょっとしたら私くらいの夜型体質になると、朝食が脂肪になりやすいのかもしれない。体内に摂取したカロリーは、エネルギーの代謝率が低いときに脂肪に変わる。体が半分眠っている午前中にがつがつ食べてしまえば、それが丸々脂肪にならぬとも限らない。健康的に思えた生活が、じつは私には不健康なものだったかもしれない。