断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

昨夜の椿事と俳句の新作

 昨夜の四時くらいのことである。不気味な地鳴りのような音に目を覚ました。
 夢うつつのまま、はじめは自衛隊の戦闘機の音かと思ったが、鳴り続いて一向にやむ気配がない。ぼんやりと目を開けると、カーテン越しに窓の外が光っているのが見えた。雷かと思ったが、それにしても様子がおかしい。雷ならばピカッと光ってそれからゴロゴロと鳴るはずである。だが窓の外は光りっぱなし、音も鳴りっぱなしなのである。まるで遠くで空襲でもやっているような様子なのだ。びっくりして飛び起き、カーテンを開けて外を見たら、雲におおわれた南の空が一面に青白く光っていた。やはり雷だったのだが、こんな現象を見るのは初めてである。しばらく眺めてもずっと同じ状態で、光りっぱなし鳴りっぱなしのままである。気になってパソコンを開け、雲の状態を確かめたら(書きそびれたが、インターネットは昨秋に導入した)、駿河湾に強い帯状の雨雲がかかっていた。
 朝になり、あらためてニュースを確かめたら、昨日の静岡県内は雷がすごかったらしく、あちこちで落雷して火災を起こしたという話である。午後になって近所の川沿いを自転車で走ったが、かなり増水しており、河床には濁流がみなぎっていた。山の方でもかなり雨が降ったようである。(ちなみにこの川は、休みの日には家族連れのバーべキューでにぎわい、夏には子供たちが水遊びをしている。私もこの夏は、一度くらいは泳いでみようと思っていたのだが、結局泳がないまま夏を終えてしまった。知人が用宗の海岸を推奨していたので行こうかと思ったが、こちらもサメの出没騒ぎで没になってしまった。)
 閑話休題。俳句の新作である。

秋隣る盛りの昼の白さかな
おほどかのいこひ顔なる秋嶺かな
落日に燃ゆる青さや竹の春
秋灯を急かし回るや豆腐売り
小鳥降る一樹の下の雨宿り

 久々の句作でぎこちないが、まあ仕方がない。三番目の句は「落日に燃ゆる」がどうにも陳腐だし、最後の句は「一樹の下の」をもう少し工夫できそうである。個人的には、一番目の句がけれんみがなくていいと思うのだが、どんなものだろうか。