断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

8月10日(インターラーケン)

 朝から曇り空がひろがる。ホテルのフロントで訊くと、一日中、雨が降ったり止んだりという天気らしい。
 インターラーケンへ来たからには、ユングフラウヨッホへの登山列車に乗りたいが、そのタイミングが難しい。地区乗り放題のチケットを買ったが、山頂のユングフラウヨッホへは7000円近い追加料金を払わねばならず、しかも定員制だから予約を入れる必要もある。晴れた展望を味わいたいが、山の天気は変わりやすいので、直前まで待って予約を入れねばならない。とりあえず今日はダメということだけは確定である。
 ヴィルダースヴィールの駅へ出て、シーニゲ・プラッテ行きの登山列車に乗った。この地区にはじめて作られた登山列車である。子供のように身を乗り出して反対側の車窓に見入っていると、「こっちへ座りなさい、私はもう何度も来ているから」と年配の男性が席を譲ってくれた。
 山頂に到着。短いハイキングコースを回り、すぐまた電車で下へ下りて来た。インターラーケン・オースト駅へ出、ハーダー行きのケーブルカーに。山頂駅で下車すると雨が降っていたので、そのまま引き返そうとしたが、下りの便が来る直前に雨がやんだ。そこで歩き出すと、晴れて素晴らしい眺望が広がってきた。眼下にトゥーン湖、ブリエンツ湖の湖面が横たわり、その向こうにユングフラウ方面の眺望がひろがっている。別のハイキングコースもあったが、そこまでは行かずに戻り、ふたたびインターラーケン・オースト駅からラウターブルネンへ向かった。
 ラウターブルネンには、シュタウプバッハ滝という落差300メートルの見事な滝がある。駅から歩いてすぐだったが、滝の裏に入る石段があって、落下する水流を裏側から眺めることができた。駅へ戻って電車でヴィルダースヴィールへ。昨日と同じホテルに連泊である。観光ポイントをせわしなく巡る、典型的なツーリストの一日だった。



(シュタウプバッハ滝)



(滝の裏側からの眺め)