断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

脳と夏休み

 大学の授業は先週ですべて終わり、とりあえず夏休みに入った。「とりあえず」と書いたのは、言うまでもなく研究の方はむしろこれからが本番だからである。
 ちょっと前までやっていた小銭稼ぎのバイトを六月末で止め、いまは大学の授業以外は基本的に全部「自分の時間」である。ということは、この夏は全て自分の研究に充てることができるということである。しかし一日の内でも体調に微妙な変動があるように、脳ミソのほうも、トップギアで走れる時もあれば、いくら鞭打ってもうんともすんとも言わない時間帯がある。受験勉強のような機械的な作業ならばともかく、研究にとって脳のコンディション不良は致命的である。またこれとは別に研究上のモチベーションという問題もあって、いくら頭がすっきりしていても「いい仕事をしよう」というモチベーションに欠けていれば、仕事の質が下がってしまう。
 脳ミソを奮い立たせ、仕事のモチベーションを上げる方法は人によってさまざまだろうが、私の場合、「他人のすぐれた仕事に触れる」というのがかなり効果的である。(むろんいつでも効き目があるというわけではないが。)この場合、その「仕事」に100パーセント共感していたり心酔していたりする必要はない。要は脳ミソを奮い立たせる「触媒」の役割を果たしてくれればいいだけである。だからそれは研究に直結するものでなくてもよい。場合によっては、自分とは全く縁のない分野のものでもいいわけである。
 さて今このブログ記事を書いていて、自分にとってもう一つ、重要な「モチベーション喚起法」があったことを思い出した。それは「とりあえずパソコンに向かい、何でもいいから書いてみる」というものであった。