断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

師走のひつじ田

 十二月に突入し、年内の授業も残り二週間。先週の木曜くらいまでは半袖でも大丈夫な日和が続いていたが、週末は一気に気温が下がった。冬本番といった感じである。
 気がついたら句誌「りいの」への投句の期日が迫っている。最近は二か月連続でちゃんと投句しているので、忘れずに送らないといけない。

ひつじ田や若菜のごとき萌黄して
ひつじ田や陽も水めいて二三寸
柳散る曇りまじりの陽にまじり
猫も知る小春の午後のたふとさよ
初しぐれ乾きを択ぶ猫の足

 「ひつじ田」というのは、刈り取った稲の茎にふたたび緑が芽吹いている田のことである。寒い地方では芽吹く間もなく冬が到来するのだろうが、温暖な静岡ではかなり遅くまでひつじ田が残っている。明るい萌黄色の新芽が日差しを浴びている眺めは爽やかだが、この寒さではじきに枯れてしまうだろう。写真は今日撮ったもの。ちなみに「ひつじ田」は秋の季語である。