断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

梅園さまざま

 正月明けから目が回るほど忙しい日が続いていたけれど、それも三日ほど前に一段落。髪が伸びてぼさぼさになってしまったので、昨日は床屋へ行ってきた。部屋もまだ散らかり放題である。
 時間的に前後するけれど一昨日、久々に浜松の「フルーツパーク」というところへ行ってきた。JRで掛川駅へ行き、そこで天竜浜名湖鉄道に乗りこんだ。ボックス席に陣取ってサワーを飲み始めたが、どうもリラックスできない。前日までの忙しさが尾を引いていて、心が「仕事モード」から抜けきれないのである。
 それでもフルーツパークに着いて歩き始めると、少しずつのびやかな気持ちになりだした。ここの園内には梅園があって、早咲きから遅咲きまでいろんな品種があるのだが、かなりの数の樹がちょうど見ごろとなっていた。一人でゆっくり歩き回っている内にすっかり「リラックスモード」になり、気がついたら二時間近く経っていた。
 私は梅の花が好きで、この季節になるとあちこちの梅園へ行きたくなる。フルーツパークの近くには豊岡梅園というのがあって、これは山野を切り開いて作った広大な梅園だが、花の見ごろは少し遅めである。以前に、まだちょっと早いかなと思いつつ出かけてみたら、なんと梅園の門が閉じられたままでびっくりしたことがある。
 遅咲きといえば安倍川の最上流に梅ケ島梅園というのがある。標高千メートル近い高地にある梅園で、開花が遅く、三月の下旬に行ってもまだ花を楽しめる。すでに春の気に満ちた静岡市内から、バスに揺られて一時間半。ひんやりした山の空気の中に降り立つと、まるで別世界に来た気分になる。すぐ下の谷底に安倍川が流れていて、高い川音を聞きながら冷たい空気の中で梅の香をかぐのは格別である。
 今日は関東では大雪だが、静岡のほうは雪の心配はない。気温も予想では11度まで上がるそうだが、外へ出るとさすがに空気が冷たい。空も曇っているし、それほど暖かくなる気配はない。立春を機にブログの表紙も変えてみたが、もうしばらく寒い日が続きそうである。(写真はフルーツパークの梅景色)