断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

新幹線が止まったこと(1)

 先週の水曜日(21日)は藝大のほうの仕事で、丸一日東京に出ていた。仕事が終わり、本郷のほうへちょっと寄ってから、軽く食事をして帰途についた。21時30分の「ひかり」で静岡へ戻る予定だったが、少し早目に東京駅に着いたので、13分発の「こだま」に乗り込んだ。静岡に着くのは「ひかり」より遅くなるが、たかだか数分の違いである。のんびり本を読む時間が増えたと思えばいい。
 そろそろ発車時刻というころ、車内放送が流れた。予定の時刻を過ぎているが信号が赤なので、もうしばらく待ってほしいとのことだった。10分ほど待ったけれど出発しない。それならばと思って、隣のホームに止まっている「ひかり」に乗り換えた。網棚に荷物をのせて本を開いたら、すぐに車内放送が流れた。大阪の方で何か大きなトラブルが起きたらしい。復旧の見込みは立っていないとのことだった。プラットホームへ出て駅員に確認すると、列車は最低でも数時間動かないだろうとのことだった。
 荷物を持って駅の外へ出た。今夜中に静岡へ戻るのはやめて、横浜の実家に泊まっていくことにした。八重洲南口に出て、家へ電話をかけようとしたら、目の前に沼津行最終バスの表示が出ていた。(八重洲南口は高速バスの発着所である。)とっさの思いつきで実家に戻るのは止め、このバスに乗ることにした。
 東京から沼津までは2時間強だった。途中、足柄パーキングエリアで短い休憩があったが、ほぼノンストップの行程で、午前0時過ぎに沼津に到着。駅前のホテルで部屋を取り、シャワーを浴びてすぐに眠りについた。