辞書のことを書いた「ついで」に、語学の話題をもう一つ。
年度のはじめに私は、アンケートと称して授業への抱負や要望、質問などを書かせる。趣味や興味関心など個人的なことも書いてもらう。学期はじめだから大した意見が来るわけではないが、中には絵を書いて出す学生などもいて、なかなか面白い。
教えはじめて三年目か四年目の年だったと思う。集め終わったアンケートをぱらぱらとめくっていると、こんな質問が目に飛び込んできた。「先生はどうして語学教師なんかになったんですか?」
とっさに私は、学生時代のゼミの先生の言葉を思い出した。「ついでに言うと、『語学教師』って
差別用語ですから。」