断想さまざま

山村浩(哲学・大学非常勤講師・藤枝市在住・宇久村宏=ペンネーム)の日々の断想です。

2017-01-01から1年間の記事一覧

ひとたび雨が降ると…

前回の記事で橋の上から眺めた瀬戸川の桜の写真をアップしたが、そのついでにもう一つ(二つ)別の写真をご覧いただこう。 河床の地質学的構造によるのだろうが、瀬戸川はしばしば涸れ川となる。それも年に数回といったレベルではなく、本当に「しばしば」な…

瀬戸川の桜

藤枝の瀬戸川沿いに見事な桜並木があり、四月の一日と二日に桜まつりが開かれていたのだが、私は行くことができなかった。しかし今年は静岡も桜が遅く、先週の月曜(10日)に自転車で行ってみたら、まだ花盛りだった。橋の上に立って写真を撮っていると、若…

日本的な、あまりに日本的な

昨日は授業の後に神奈川の実家へ行き、今日は再び静岡である。静岡へ来ると首都圏とは日差しが違うのがよく分かる。まだ四月の半ばだが、日差しにはすでに初夏のような勢いがある。家々の濃い影が差し交す緑豊かな郊外を歩いていると、ふと南欧かどこかの街…

上野公園の桜

昨日は東京芸大の初回の授業日だった。いつもだったらすでに桜の花は散っているはずだが、今年は開花が遅く、まだお花見もできそうである。少し早目に着いたので、上野公園を散歩することにした。公園口から中央の広場へ向かい、西郷隆盛の銅像へと降りる坂…

授業初日

昨日は東海大の授業の初日だった。雨で途中から日が差してきたが、ずっとすっきりしない天気だった。久々にキャンパスを歩き、授業の合間に海へ出た。雨のせいで水が濁っており、晴れた日には見える対岸の伊豆半島も見えなかった。ここのキャンパスには講師…

自転車が壊れた話(3)

しばらく休んでから帰宅することにした。疲れていたし痛みもひどかったので、できれば病院に泊まっていきたかったが、医師のほうでは大したケガではないと判断したのだろう。タクシーを使うほどの距離ではなかったので、歩いて帰った。人気のない川沿いの道…

自転車が壊れた話(2)

前回の記事を書きかけにしたまま、ブログの更新を先延ばしにしてしまった。忘れていたわけではなく、何となく気が進まなかっただけである。すると先日、手痛い「しっぺ返し」を受けてしまった。自転車で道を横断しようとした際に、縁石をよけそこなって転倒…

自転車が壊れた話(1)

いま使っている自転車はギヤなしのママチャリで、長距離ツーリングに使うにはちょっとしんどい代物である。以前、大井川沿いの激しいアップダウンを走っていて、足を痛めたことがあった。以来、あんまり急な山道は走らないようにしているのだが、それにはも…

悪い話もし放題

藝大の学期が終了して三週間が経った。この間、東京へは一度も出ていない。実家が神奈川にあるので、そちらへは戻る予定だが、これもいつになるかは分からない。 東京には大きな書店があって便利だが、静岡にもそこそこの大きさの本屋がある。戸田書店である…

梅と私

梅の季節が来た。数ある花の中で梅が一番好きだが、昔からそうだったわけではない。きっかけは二十代のころ、東京青梅市の吉野梅郷へ行ったことである。その後、本駒込に下宿するようになって近所の小石川植物園に親しみ出し、梅の季節には何度もそこへ通っ…

池大雅瞥見(「西湖春景・銭塘観潮図屏風」)

さる一月二十五日、東京国立博物館の常設展示を見てきたが、池大雅の作品で大きなものが二つ出ていた。「楼閣山水図屏風」と「西湖春景・銭塘観潮図屏風」である。 「楼閣山水図屏風」は国宝で、展示解説でも「ベストオブ大雅」などと持ち上げられていたが、…

歌舞伎「黒塚」

昨日は東京藝大の授業日だった。二つ受け持っている授業のうち、片方はテストで今学期の最終日。もう片方はまだ来週が残っている。 授業のあと銀座の新橋演舞場で歌舞伎を観てきた。夜の部で三つ演目があったが、一つ目の「義賢最期」は時間的に間に合わなか…

静岡での初雪

先日、大学の仕事帰りに夕食をとっていたら、隣の席にいたカップルが「静岡って沖縄の次に暖かいんだよね?」などと話していた。さすがに「沖縄の次」はないと思うが、暖かいのだけは確かである。その証拠(?)に私はこの地で雪が降るのを見たことがない。…

賀正新年

賀正新年。年末はちょっと忙しかったが、年始はそれなりに自由にできる時間があった。気分的にもすっきりし、リラックスして新しい年を迎えている。 よく行く瀬戸川沿いの散歩道は、梅のつぼみがふくらみかけている。あと一か月もしないうちに花が咲き始める…